分析センターでは、皮革全般に関係する分析業務の受託をはじめ、皮革の副産物であるコラーゲン等の栄養成分の定量分析を受託しております。
●皮革品質分析
皮革製品の原料となる皮革や、市場で販売されている皮革製品の検査を実施して、皮革製品の安全性と品質を維持することによって消費者の保護をはかっています。具体的には、皮革の物理試験や化学試験、また金属の測定等を行っています。最近は環境問題が一段と深刻になっており、EUでは2006年7月1日以降、RoHS (Restriction of Hazardous Substances)指令に基づいて、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDEといった有害物質が厳しく規制されています。今後も環境対策としての検査業務がますます重要になってくると思われます。 詳しくはこちら>>
●コラーゲン定量分析
コラーゲン食品の普及に伴い、コラーゲンの定量分析の依頼も年々増え続けています。コラーゲンは直接含有量を測定しにくい成分ですが、当財団では豊富なコラーゲン研究を背景に、アミノ酸であるヒドロキシプロリンの含有量からコラーゲンを定量(数値化)しています。食肉などの生鮮食品、スープなどの加工食品、サプリメント、化粧品まで幅広い分析を行っています。詳しくはこちら>>
マトリックス生体工学部門はおもに研究開発を行う部門で、マトリックス生化学研究グループと皮革応用環境学グループからなっております。
●マトリックス生化学研究グループ
皮革に関係した生体成分、例えばコラーゲンの基礎的な研究や医薬への応用に関する研究を行っています。平成18年度から21年度までの4年間には、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合研究開発機構の委託業務として、「研究用モデル細胞の創成技術開発/分子構成を最適化した人工基底膜によるES細胞の分化誘導制御技術の開発」を受託しました。この委託研究では、これまで培ってきた皮革関連成分に関する基礎的な研究を、最先端の医薬分野の研究開発に応用するための研究を行いました。
●皮革応用環境学グループ
皮革産業と環境との関わりに注目した研究開発を行っています。平成14年度から17年度までの3年間には、農林水産省の「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」(高度化事業)の一つとして、当財団が提案した「羽毛分解菌による廃羽毛の分解とその高度利用」の研究を実施しました。この高度化事業では、独自に分離した、羽毛や動物の毛を分解できる糸状菌を利用して廃羽毛や廃毛を分解し、その分解産物を新たな農業資材に転換する研究を行いました。またこの糸状菌で発現する遺伝子が新たなゲノム創薬に役立つことが期待されております。